「データサイエンス的手法を用いたがん患者生存因子の探索」研究実施計画書

2017年3月30日

一般社団法人日本がんと炎症・代謝研究会

 

 

「データサイエンス的手法を用いたがん患者生存因子の探索」研究実施計画書

 

 

1.研究の目的

肺がんなど予後の悪い腫瘍であっても、余命を大幅に超えて長期生存するケースがある。(本研究プロジェクトでは、このような長期生存者を「がんサバイバー」と呼ぶ)データマイニングの手法を導入し、がんサバイバーの生存情報・医療情報・生活情報から生存因子を抽出するとともに因子間の相関解析を行う。

本研究プロジェクトの目的は、現在の医療資源、生活習慣(食品、運動等)を組み合わせることによって「がん患者の長期生存は可能」であるとの仮説に基づき、臨床医学・健康科学・情報科学による帰納的アプローチによって最適解を洗い出し、がん治療に最適な医療をデザインするための一助とする。

なお、本研究プロジェクトの中心はデータ解析であるが、従来の医療統計学者による定量的な解析ではなく、データサイエンティストによる定性的かつ網羅的な解析に取り組むものである。

 

研究キーワード:生存学、データサイエンス、Cognitive Computing System

 

2.研究方法

本研究プロジェクトの協力医療機関であるからすま和田クリニックの患者データ(約2000例)から、がんサバイバーを特定する。次にがんサバイバーのカルテ情報と生

活情報を解析し、長期生存に関係する因子を抽出する。なお、今回は遺伝的素因の探索は行わない。

 

2-1.がんサバイバーの定義

本研究プロジェクトでは、下記をがんサバイバーとして定義する。

1)がんの疫学から、余命が極めて短い(5年生存率が25%以下)とされるがん種の患者が、この統計値を超えて生存する場合。

2)標準治療では寛解しなかった患者が、代替医療を導入したことで寛解した場

 

 

2-2.調査項目

・患者の背景(年齢、性別、病歴、家族歴等)

・腫瘍因子(転移の有無等)

・治療歴

・生化学検査

・病理検査

・画像

・生活習慣(食事、運動、サプリメント等)

・生存の有無

 

2-3.解析手法

1)統計的手法

データの統計学的分布を調べ、データの妥当性・データの群間から統計的に意味のある関係性の有無を調べる。取得データの正確性や測定値の統一性を調べ、カルテ記載の測定項目が十分なものか検証する。

 

2)情報学的手法

機械学習を利用し、通常の統計的手法では発見することのできない数値の存在を調べる。これによりデータ間の非自明な関係性の発見することができる。機械学習の対象としては、主に、数値と日常生活に関する言語データの間の関係性を探索する。それにより、劇的寛解に至った患者に共通する因子を抽出することが可能である。

なお、一般に機械学習によって得られた係数に、直接的統計的意味を見出すことは難しいが、見出された数値について医学的・生理学的見地から既存の知見と照らし合わせ、その妥当性を個々に検討する。

 

2-4.研究期間

調査期間:2016年3月5日~2016年6月30日

研究期間:倫理員会承認後~2019年3月31日

 

2-5.研究の主たる実施場所

一般社団法人日本がんと炎症・代謝研究会

からすま和田クリニック

 

2-6.被験者の選択基準・除外基準・中止基準

1)選択基準

前出2-1に基づいて被験者を決定する。

2)除外基準

前出2-2の各種データを満たさない場合、除外する。

3)中止基準

同意が得られない場合は、調査対象から除外する。

 

2-7.被験者に理解を求め同意を得る方法

協力医療機関内で研究計画を周知し、被験者の同意についてはオプトアウト方式を用いる。

 

2-8.被験者が当該研究に参加することにより期待される利益、および起こりうる危険、ならびに心身に対する負担

1)予想される利益

がん患者の長期生存因子が解明され、新たな治療指針が確立されることによって、医療サービスを通じて直接的にがん患者に利益を還元することが可能。

 

2)予想される不利益

本研究プロジェクトは後ろ向きの調査に相当し、被験者個人に対して不利益や危険性が発生することはない。

 

2-9.健康被害や有害事象への対応

本研究プロジェクトは後ろ向きの調査に相当し、被験者個人に対する健康被害や有害事象が発生することはない。

 

2-10.費用の発生について

本研究プロジェクトは、医療データに対する情報学的アプローチを行うもので、計算機端末、ソフト類、通信、セキュリティ対策等の経費が発生するため、これらの経費に対して共同研究費を充当する。

 

2-11.個人情報の管理

「ヘルシンキ宣言」、「臨床研究に関する倫理指針」に従って、個人情報の管理と被験者の人権擁護の配慮に努める。

 

2-12.試料の取扱い

本研究プロジェクトで後ろ向きの調査に相当し、生物学的実験は行わないため該当しない。

 

3.利益相反について

本研究プロジェクトの参画企業である中野BC株式会社は酒造メーカーであり、同企業のCSRを兼ねた研究協力である。その内容は、共同研究費の提供および専門人材による支援を行う。製薬・医療機器メーカーとは業種が異なり、利益相反に該当する行為は考えられない。

 

4.知的財産権

本研究プロジェクトに参画する機関・研究者に帰属する。

 

5.研究中核機関

1)機関名称

一般社団法人日本がんと炎症・代謝研究会

2)研究代表者

代表理事 和田洋巳

3)事務局

一般社団法人日本がんと炎症・代謝研究会 事務局

京都府京都市中京区西押小路町119番地

TEL:075-223-1100

 

6.共同研究機関

1)機関名称

中野BC株式会社

2)共同研究者

食品研究所 我藤伸樹

3)和歌山県海南市藤白758-45

TEL:073-482-1234

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